ABOUT

以前のわたしは、「よその茶園さん、お茶屋さんといかに差別化するか」ということばかりを考えていました。しかしいつからか、本当にこれでいいのだろうか?、という思いがつのるようになりました。慣れないながらも、さまざまな勉強会に参加させていただいたり、多くのお客さんから支持を集めている農家さんを見学させていただいたりするなかで、“ 本当にやらなければならないこと ” を怠っている自分に気がついたのです。

それは、『お茶の魅力』を多くのかたに理解していただくための努力。お茶の効能や、お茶を淹れるという行為がもたらしてくれる効果など、わたしたち農家が “ 当たり前のもの ” と感じていたことが、思いのほかご存知いただけていなかったり、忘れ去られてしまったりしていることを実感したのです。

たとえば、糖尿病を改善したり、コレステロールを低下させたりする成分の働き。たとえば、お湯が冷めるのを待つあいだの、ちょっとした会話。それらは、日本人のからだに自然になじみ、大切にされてきました。

単にお茶を育て、販売するだけではなく、このようなことをきちんとお伝えしていくことも、わたしたちの仕事。商品を置いていただいているお店に顔をだしたり、地域のイベントに参加したりと、お客さまと直接お話しさせていただく機会を、時間がゆるす限りつくっていきたいと思っています。そのような活動を通じて、「やっぱりお茶だね」、そう思ってくださる日本茶ファンがひとりでも増えてくれたら、これほどうれしいことはありません。